日本政府は「観光立国」を国家戦略として掲げ、3年前に外国人観光客誘致キャンペーンをスタートさせました。その成果が現れ、訪日観光客数は年々記録を更新、2005年の約600万人から、2010年には1,000万人の目標を達成する勢いを見せています。
一方、特に受け入れの歴史が比較的浅いアジアからの旅行客の急激な増加に伴い、日本国内の観光土産店を周ることを主眼とした格安ツアーの激増などは、せっかく来日しても真の日本の姿を伝えることを妨げ、日本をアジアの人々に紹介する上で大きな障害になっております。そのことに関して不満に思う観光客も多いといいます。それだけでなく、長年欧米の外国人旅行客を中心に対応し、品質と品格に定評がある通訳ガイド業界全体にも大きな衝撃を与えています。
また、中国語の有資格通訳ガイドの絶対数が不足している(全国でわずか893人)にもかかわらず、無資格ガイドが相場の三分の一から四分の一で仕事を請け負うため、ガイド業だけで生計が立てられる者は非常に少ないのが実情です。2006年4月1日施行の「通訳案内士法」により、無資格ガイドはそれまではわずか3万円だった罰金額が、最高50万円に強化されることになってからも、その様相が変わる気配はありません。
有資格通訳ガイドとして、我々は訪日旅行客に日本の魅力と真の日本の姿を伝え、世界平和の一役を担うことが社会的責務と考えています。我々は自分たち一人ひとりの努力によって、清らかで美しい自然と洗練されたアジア諸文明の融合を絶え間なく行ってきた「日本」のイメージを広めたいと思っております。
そのため、このたび2005年度通訳案内業試験合格者による「中国語通訳案内士会」(CGO:Chinese Guide Organization)を発足させる運びとなりました。 そして日本という国をアジアに紹介する者として恥ずかしくないよう研修を行うことにしました。これからの活動を通して、通訳ガイドとしての社会的・経済的地位を確立し、無資格ガイドにはない通訳ガイドの品格とガイディングテクニックを身につけ、この国の素晴しさを宣伝する「プロデューサー」としての役割を果たして行く所存です。
●日時:平成18年6月17日(土) 10:30~11:30
●会場:星陵会館3F 「会議室3A」 (座席数の関係で一般の方は入場できません)
◎開 会
◎来賓紹介
◎代表幹事挨拶
◎来賓挨拶
・社団法人日本観光通訳協会
・協同組合全日本通訳案内業連盟
・ハロー通訳アカデミー
◎発会記念講演:観光立国と通訳ガイドに期待される役割
・呉 継紅(国際関係学博士・日本国際観光学会所属)
講演者略歴 80年代は中国貴州省外事弁公室に勤務の後、貴州省海外旅遊総公司等に約10年間勤め、副社長の職につく。この間、全国優秀社員(ガイド)に3回も選ばれた。‘90年代に留学生として来日。2004年、国際関係学の博士学位を取得。現在、日本の旅行会社で国際仕入と手配(主任)に携わる。主な著書に「
日中観光産業の現状と未来」2006年、日本僑報社。主な翻訳書に「日本昭和・平成皇后、皇妃-美智子皇后と雅子皇妃(河原敏明著)」1996年、北京華夏出版社
◎閉 会