日経とgooのビジネス情報サイトから8月8日に検索した情報です。
4 [新刊]在日中国人大全 段躍中主・編<日本僑報・中国留学生文庫・8800円>
1998/ 07/ 19毎日新聞 朝刊p.11 424字
本書は、現在日本に在住している中国人に関する情報を網羅したデータブックである。管見によると、官民の出版物を含め、明治から今日にいたるまで、同類の書物のなかで内容がもっとも充実している。研究者に多くの紙幅をさいたのは難点だが、それでもほかの分野についても可能なかぎり情報が集められている。
ただの人名録と違い、収録対象は個人に限らない。華僑総会、留学生会はもちろん、同郷会(県人会)、科学技術者連盟、企業家懇話会、中国語教師協会など団体組織の名前や活動状況も紹介されている。日本にはこれほど多くの中国人団体があることには驚いた。これまで中国人が日本で会社を起こしたことはときどき耳にするが、本書によると、そうした会社、事務所は四百三十九社にのぼり、業務も貿易、旅行、飲食など多岐にわたる。また、中国語の新聞や雑誌も四十種を越えている。
在日中国人の活動を知る上で欠かせない情報を提供しただけでなく、百年後にはたいへん貴重な資料となるであろう。(競)