親誌の編集局長更迭 教科書批判の「氷点週刊」で引責か
2006年10月17日22時28分
週刊紙「氷点週刊」が一時停刊処分になった問題で、親紙にあたる中国共産主義青年団の機関紙「中国青年報」の李而亮編集局長が更迭されたことが17日、明らかになった。停刊の原因になった歴史教科書を批判する論文の掲載を認めた最終責任者だったことが原因とみられる。
同紙関係者らによると、李編集局長の更迭の決定がこのほど社内の一部の幹部に伝えられた。更迭理由については明らかにされなかったが、「氷点週刊」停刊の際の対応の責任を問われたとみられるという。李編集局長は04年12月に編集局長に就任した。
「氷点週刊」の
李大同・前編集長は朝日新聞に、李編集局長更迭について「言論のあり方よりも、責任追及を優先するメディアの官僚的体質が表れた」と批判した。
中国では、共産党・政府が先月、内外メディアに対する管理強化策を相次いで打ち出すなど、メディアへの締め付けが強まっており、李編集局長の更迭決定にも影響した可能性がある。
「氷点週刊」は1月末、自国の歴史教科書を批判する中山大学(広州)の袁偉時教授の論文を掲載したとして、党中央宣伝部により発行停止になった。編集長の更迭や批判論文の掲載を条件に約1カ月後復刊した。