昨夜送られた読者の感想を本人の許可を得て掲載します。椴木氏を初め、読者のご声援にお礼を申し上げます。ーー段躍中
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段躍中日報の特別転載の劉さんの体験を拝読し、警察の暴言に対して怒りというか、それを通り越して失望と悲しさを覚えました。大人としても読んでいて心がズキッとくるので、事故に遭われたお子さんのことを思うといたたまれないです。
暴言を吐いた警察官には恥を知ってほしいものです。外国人に対する差別は外国人のみならず、かならず自国民にもブーメランのように跳ね返ってくるということを自覚してほしいです。世界は、「痛みは痛みで返す」つもりの無かった劉さんのように寛大な方ばかりではないですもんね。差別は根強い怒りと新たな差別を生み悪循環に陥りますよね。事実、この警官のように排他的な人間に対して、私自身が排他的な気持ちを抱かないでいるというのはかなり難しく、大きな試練です。だから尚のこと劉さんには頭が下がります。
正直言って、私の祖母なんかを見ていると、外国人に対する差別意識は根強いです。とても残念なことに、80代の年齢では深く根付いて習慣化してしまったその考え・態度が変わるとは思えません。もっと若いうちから人権について、平等について考える機会がないといけないですね。自分がもし相手の立場だったら、という想像力を身につける機会をです。
残念ながら外国人被害者に対して警察が非常に無礼だったりあからさまに捜査の手を抜いたりする事例は日本以外でもあるようですが、こうした問題に対する問題意識は日本の場合とくに希薄な気がします。友達にこうした日本人の排他性にからんだ話をしても「私にはよくわからない」といわんばかりのやや冷めた反応が多い気がします。それはわからないというよりも「自分には関係ないので興味があまり無い」に聞こえてしまい、さびしいです。
人間はそもそもおろかだし、私も一人のおろかな人間に他ならないので、独善的になるつもりはないですが、せめてこういう悲しいお話を聞いたときは一緒に共感したいです。
椴木