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日本僑報電子週刊 第627号 2007年3月28日(水)発行
http://duan.jp 編集発行:段躍中(duan@duan.jp)
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●高纓原著 王敏監修 田中須磨子訳『バンナの恋』刊行特集●
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編者より
本来なら結ばれるべき二人の恋は、苦難に満ちた時代にあって、悲劇
で終わりました。
高纓先生著・王敏監修・田中須磨子訳『バンナの恋』が刊行されまし
た。主人公は、シーサンバンナ(西双版納)で出会った、北京から来た
知識青年・劉暁海とタイ族の娘・玉罕です。
文化大革命の時、北京からバンナの生産隊にやってきた知識青年・劉
暁海は、タイ族の娘・玉罕と出会いますが、その後北京に戻ります。周
総理が亡くなったとき、劉暁海は追悼のために、グループの工員たちと
江青の仲間を糾弾した血書を書いて天安門に行くのですが、反革命分子
として追われることになり、シーサンバンナ(西双版納)に逃げ、再び
玉罕と出会います。
二人は逃亡生活を送りながら、愛を深めていきますが、悲しい結末と
なります。墓に逃げ込んだ二人。一人は「鬼」となり、一人は…。これ
以上は結末がわかってしまうので書けないのですが、お互いを求め、愛
しながらも、時代はそれを許すことはありませんでした。
また、「バンナの恋」と併せて、『賊』と『女』という2つの短篇小
説も収録してあります。『大躍進』における人民の実情を小説として描
いたものです。
1959年から1962年にかけて、『大躍進』のため、中国の農業生産は破
壊され、激しい飢饉がおこりました。人民は、極度の貧困に直面しまし
た。筆者が、「この二篇の小説を書きながら涙を流しました」と述べる
ほど、悲惨な作品でありますが、当時の真実です。
大事なことは、筆者や訳者が強調するように「昔の悲劇を繰返しては
ならない」ことであり、「次の世代が引き続き平和な時代である」こと
です。
ぜひ、ご一読賜りますよう、お願い申し上げます。
http://duan.jp/item/053.html
段躍中@2007.3.27
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◆特集目次◆
【内容紹介】
シーサンバンナ(西双版納)の悲劇の恋物語
文化大革命時に出会った北京から来た知識青年・漢族男性とタイ族の娘
【巻 頭 言】
『心を読者に手渡す』
【物語の時代背景】
私がこの小説を書いたのは、あの苦難の時代から決別する為です。
さらに重要なことは、昔の悲劇を繰返してはならないとの願いからです。
【訳者あとがき】
文化大革命からもう三十年
次の世代が引き続き平和な時代である事を願う
【目 次】
巻頭言
物語の時代背景
バンナの恋
飢 饉 二篇
訳者あとがき
【著者紹介】
著者:高纓 詩人・作家。中国作家協会理事
監修者:王敏 法政大学国際日本学研究センター教授
訳者:高纓氏小説『ゴビ砂漠』『貝』『薛瑪姑娘』などを翻訳。
【書誌データと注文先】
http://duan.jp/item/053.html
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