「温家宝総理来日歓迎レセプション」に参加して
12日夜、東京赤坂にあるグランドプリンスホテル赤坂にて『国交正常化35周年記念 2007「日中文化・スポーツ交流年」温家宝総理来日歓迎レセプション』が盛大に開催されました。温家宝総理、安倍晋三首相をはじめ、日中両国の関係者500人以上が招待されました。
緋毛氈の上に、金色の屏風が飾られ、日本と中国の旗が掲げられた会場では、まず二胡や琵琶の演奏が行われました。壇上近くまで人が詰めかけ、立錐の余地がないほどでありました。
レセプションは、辻井日中文化交流協会会長の「7年ぶりの訪問であり、政冷経熱と言われた昨今、喜びが大きい」という挨拶がはじまりでした。
続いて、温家宝総理のスピーチが行われたが、驚いたことに10分ほどのスピーチは原稿なしでした。「今晩は、原稿なしでいきたいです。というのは、原稿なしというのは自分の本音、その中の言葉を引き出すからです」
スピーチでは、まず母との会話について話されました。温家宝総理は、国会での演説の後、直ちに母に電話したといいます。このたびの国会演説は、中国に生中継されていますが、温家宝総理によると90歳になる母は演説を聞いてとても喜び、「息子よ、よくしゃべりました。日中のことをよく踏まえていて、とてもうれしかった。人間は本音で語り合うと、通じ合う心を持っている。」と母から誉められたと、やや照れくさそうに話されたのが印象的でした。
温家宝総理は、いうまでもなく著名であるが、謙虚でもありました。国会で講演する機会をいただき、会場から大きな拍手をいただいたことは、大変うれしかったと述べられました。安倍首相が「満場の拍手がうらやましい。私が演説しても、拍手するのは与党だけ」とユーモラスに挨拶すると、温家宝総理は笑みを浮かべて返礼されていらっしゃいました。
この、「本音」のスピーチは、大変好評でした。温家宝総理の親しみのこもった、お優しい心が十分に表れていたように感じました。
温家宝総理は、1時間足らずの臨席であったが、和やかな雰囲気の中、レセプションは進行しました。今後の日中外交における期待の表れと受け止めました。
レセプションの後には、ノートパソコンで記事を打ち、直ぐに配信しようとした記者の姿が見られました。記者会見の後では珍しくありませんが、普段よりも数が多いように思われました。