日 時: 2007年5月19日(土) 午後1時~4時
場 所: 東京芸術劇場 中会議室(5階)
演 題: 「私の日本の印象~ 新華社記者として東京滞在二年間の生活から」
講 師: 鍾 沈 軍(新華社東京支社特派員)
司 会: 段 躍 中(日本僑報社・日中交流研究所)
会 費: 一人 ¥1,000 (当日・茶菓子代)
■講演内容■
私が日本駐在記者であった2年間で見聞したこと、および中日両国間でのいくつかの重大な事件について話したいと思います。
この2年間、私は多くの場所を訪れました。北は北海道、南は沖縄まで、首都東京から関西の大阪まで、古都奈良、京都、原子爆弾で重大な被害を被った広島・長崎まで。そして首相官邸から普通の農家まで。多国籍企業のCEOから市井の行商人まで。世界の自動車メーカーによる東京のモーターショーから日本の産業の根幹であり心臓部である工場の仕事場まで…。
2年間という短く、あっという間に過ぎてしまう時間の中、私は愛知万博を取材し、東京の「ソフトな生活力」を経験し、モーターショーを視察し、日本中部の農村を考察した紀行文を書きました。そして、日本が戦略的に観光立国となろうとしていることや、近しい間柄になることを願った温家宝首相の日本訪問なども取材しました。この他にも、日中国交が樹立して以来の最大の日本右翼による反中行動、8月15日には靖国神社で日本の右翼が衝突しあうのを取材しました。
ここで過ごした時間の中で、私は自分がまるで日本に来た中国からの使節であるかのように感じていました。毎日、日本人とつきあう中で、両国の文化的な交流を無意識に行っていたのです。
また、私は、まるで自分が時代の追跡者であるかのようにも思っておりました。中国内陸にある湖南省から、発展した日本の東京に幾たび訪れても、最初の一日は自分の視野が広がり、心がぱっと開ける感銘に何度も胸震えました。
自分のような一人のジャーナリストは、東アジアにおける大きな両民族の交流と衝突を、第一線で最もはっきりと感じます。そのため、両国民がどのすれば千年先の嶺にある未来に向かって、共に行けるのかいつも考えています。
2年間というしばしの時を過ごした日本という国家に対して感じたことを、私は「日本の印象」と題しました。この「日本の印象」は、中国の記者の刻印を押してあります。この印象の底辺に横たわり、日本と比較されたのは中国なのですから。
私の「日本の印象」は、米国などの記者の印象とは異なります。これは一人の中国の記者が目にした印象です。この印象は書物やテレビの中の日本から受ける印象と同じではありません。これは日本で2年間生活する中で、私にしみこみ、心に沈殿した日本の印象です。
■講師略歴■
現新華社東京支社特派員。
『南方財経導報』週末版編集デスク及び新華社湖南支社記者など歴任。
(文責 段躍中)
■会場のご案内■
東京芸術劇場 東京都豊島区西池袋1丁目8番1号
TEL 03-5391-2111
http://www.geigeki.jp/