第8回敬学講座─京都議定書採択10周年記念─
ポスト京都議定書における中国参加の行方
7月6日(金)、立命館孔子学院とサスティナビリティ学連携研究機構(IR3S、機構長:東大小宮山宏総長)、京都サスティナビリティー・イニシアティブ(KSI)、立命館サスティナビリティ学研究センター(RCS)の主催により、立命館孔子学院東京学堂(JR東京駅日本橋口サピアタワー8階「立命館東京キャンパス」内)にて、第8回敬学講座「京都議定書採択10周年記念─ポスト京都議定書における中国参加の行方」を開催しました。
仲上健一教授(立命館大学政策科学部教授、立命館国際機構長、IR3S協力機関・立命館大学統括ディレクター)の司会挨拶に続き、ご来賓の西村六善氏(外務省地球環境問題担当特命全権大使)、孔絃佑氏(中華人民共和国駐日本国大使館公使)より、「ポスト議定書における中国参加」という今回のテーマに即した見識にあふれるご挨拶を頂きました。
第1部では、佐和隆光教授(立命館大学大学院教授、京都大学特任教授)より「ポスト京都議定書の課題と針路」の基調講演をいただきました。
第2部では、米谷仁氏(環境省地球環境局環境協力室長)により「噴出する環境問題に直面する中国」、明日香壽川氏(東北大学東北アジア研究センター教授)により「気候変動問題における発展途上国の参加問題について」、 教授(立命館大学政策科学部教授、立命館孔子学院院長、立命館サステイナビリティ学研究センター長)により「『中国気候変化対策国家方案』の概要と今後の見通し」のテーマで、それぞれご講演いただきました。
地球温暖化対策を進めるために、国際共同研究開発機構を創設して協力していくあり方、中国・インド等のCO2排出量規制の基準を独自に設定するあり方、まず「先進国」から数値目標を遂行していく必要性、「共通だが差異のある責任」という原則に関する日中の認識の違い、温暖化対策における各国の「公平」なあり方、基本データ収集の重要性、公平な基準づくり、CO2削減以外の副次的効果(メリット)への言及の必要性など、テーマをめぐり多様な議論が展開されました。
各講演後のフロアーからの質問も見識に富んだ実践的なものが多く、会場全体がさながら研究会の様相であり、熱気にあふれていました。参加者からは、「(地球)温暖化問題について、生の声が聞けたので良かった」「大変良かった。日本の大学の先生のような後開設的でなく、実践的な話が多かった」「様々な立場の方から、いろいろな考え、現状を説明して頂き、貴重な時間になった」などの意見が寄せられました。