1年がたつのは早いもので、今年も入力の時期となりました。
毎年、皆さんの作文が届くのを楽しみにしております。今年はどのような作品に会えるのだろうかと。
昨年もすばらしい作品を拝見しましたが、今年の皆さんの作品にはまたまた驚きでした。内容といい、文字といい皆さんがお上手なのには感心します。
漢字はもともと皆さんの国から日本へ来たものですから、皆さんがお上手なことは当然ですが、ひら仮名は日本独自のものですのに、皆さんは現在の日本の若者以上にきれいに書いています。
パソコンの発展と共に、われわれを含め字を書かなくなりました。そのため字が書けない、読めない、字が下手と弊害も多く出てきております。多分皆さんの国でも同じではないでしょうか。
何千年も続いた文字の文化が消えつつあることは大変悲しいことです。
1つの文字を1つの形にするのには、多くの知識、多くの時間、多くの苦労を必要としたことでしょう。そのため文字の1つ1つが意味と美しさを持ったのではないでしょうか。
中国には30ヶ所以上の世界遺産があります。これは世界的にも多くの自然と多くの文明を持った国なればこその結果です。その国が、今環境汚染という大きな波に巻き込まれております。
日本においても過去には水俣病・四日市喘息・農薬による環境汚染、環境破壊等のため多くの自然、多くの動物、多くの人々に被害をもたらしました。その結果いまだにその影響が続いております。
地球が今の美しい姿になるためには何千、何万、何億の時間と環境を必要としたことでしょう。しかし、人間のエゴのために大切な自然を破壊するのには、わずかな時間があれば十分でした。そのような状況を元に戻すためには、莫大な金額と莫大な時間が必要となります。今回の応募作品の中にも環境問題を取り上げている方がおられます。
今が大切です。今すぐ手の付けられるところから手をつけましょう。一人一人の小さな努力が必要です。
日本と中国の関係も1500年以上の歴史があり、お互いが認め合う関係を築いて来ました。先人が大切に築いた関係をふたたび取り戻すためには両国の人びと、特に若者がお互いの国、お互いの人間を良く知る必要があります。政治的には困難な事でも、民間では可能な事が多々あります。
その為にも皆さんの作品が、広く両国の人々に読まれる事が必要でしょう。皆さんの作品を読む事で、私自身も今の中国の若者達の考え、日本に対する感情などを知る事が出来ます。これからは皆さんの時代です。今の気持ちを大切に、両国がより良く知る為の先達になって下さい。
終わりに受賞おめでとうございます。いつか会える日を楽しみにしております。