会が発足してから既に10数年が経ちました。この会の発足に当たって大きな要素となったのはハルビン市郊外の方正県に立つ「日本人公墓」と、残留婦人、残留孤児たちを守り育ててくれた養父母の存在でした。会では、方正日本語学校にテレビ、ビデオ教材、辞書などを贈り、地域経済の活性化のためODAを活用し、農業、畜産振興に資するよう技術者の派遣、機械の提供などを行ってきましたが、石井貫一会長の死去により、現在は活動が停滞している現況にあります。その中で、多くの方々の献身的な努力の末、石井貫一編著『日本と中国 その底辺を翔けた70年』と、『風雪に耐えた「中国の日本人公墓」ハルビン市方正県物語』が刊行されました。
この間改めて我々が実感したのは、日本人公墓が全くといっていいほど知られていないことでした。その大きな要因の一つは、残留していた日本婦人と中国の人々によって、朽ち果てた大量の骨を集め埋葬し建立された公墓を、中国政府はとりわけPRせず、日本の遺族たちもひっそりと静かに墓参し、声高にその存在を主張しなかったからと考えられます。
まさに日本人公墓は、日本有数の中国通の知識人にもその存在を知られていないほど、静かに歴史の証人として無言で立っているのです。
この方正県の日本人公墓の維持管理を、「中国政府に甘えて、中国にただ任せていていいのだろうか。とり残された残留婦人や孤児を暖かく受入れてくれた養父母への感謝の思いをどう表したらいいのか」という思いと意思が、方正地区支援交流支援の会を発足させた大きな要因でした。
2冊の本を曲がりなりにも刊行し、関係者に発送を終えた時点で、方正地区支援交流の会の今後について関係者で話し合いました。その結果、今後の新しい日中関係を築く上で、日中交流の源流の一つとして方正の地を認識し、心(魂)の原点として捉え、『方正県物語』にある事実を広く知らせることを基本として、①会は再編し継続しよう②会の運営を若い世代に託そう、との一致をみました。
再編に当たっては、旧来の考えや発想に全く捉われず、お互いに胸襟を開いて意見を出し合い、次の世代の中心となる若い人たちの意見を基軸とし再出発していきたい。そして今後の運営を若い人たちに引き継いでもらいたいと考えました。
皆様の英知を結集して、新たな方正丸の船出をしたいと思います。多くの方々のご参加をお待ちしています。
日 時 : 6月19日(日) 午後1時―3時半
場 所 : 中央大学駿河台記念館330号室
東京都千代田区神田駿河台3-11-5
電話 03-3292-3111
議 題 : 再編総会に至るまでの経過報告及び、今後の活動について
参加費 : 無料
本件問い合わせ先 : ハルピン市方正地区支援交流の会 事務局 大類善啓(おおるい)
101-0052
東京都千代田区神田小川町3-6 分住協会館4F
社団法人 日中科学技術文化センター内
電話 03-3295-0411
FAX 03-3295-0400
携帯 090-2768-3338
Eメール ohrui@jcst.or.jp