宋青宜著
『中国の選択―私の読み解いた新時代哲学思想「人と自然との調和」』http://duan.jp/item/069.htmlを日本僑報社から刊行した。
本書は、昨年の温家宝総理の「氷を溶かす旅」に続き、胡錦涛総書記の5月の訪日を記念したもの。胡書記が重視する「和諧(調和)社会」「科学的発展観」理論に着目し、中国の環境問題の現状を紐解きながら、もっともわかりやすく解説している書である。
著者は80年代日本に留学した後、日中で起業した。中国の発展を肌で感じると同時に、環境汚染に直面してきた筆者は、中国の環境保護事業に力を注ぎ、環境問題に関する論文・記事を多く発表し、日中環境協会理事長を務め、尽力している。その集大成であり、最新の見解である。
発展に邁進する一方で、環境汚染の問題に直面する中国が、どのようにすればクリーンかつエコロジーの側面から台頭することができ、「発展途上国の模範」となるにはどのようにすればよいか。あとがきで筆者が述べるように「中国十三億の人口は、結局、地球人類全体の五分の一を占めている」のである。
筆者はこの問題を解決するために、胡総書記が重視する「和諧(調和)社会」「科学的発展観」理論を読み込み、古典から続く中国の思考を平易に説明し、現在中国が直面している環境問題に対処するには、「人と然との調和」が必要であると提唱している。これこそが「アラジンのランプ」として、今後中国が自身、そして地球の環境問題に貢献し、解決に導くと論じている。
本書の刊行には、筆者の思いが背後にある。母として、また自身も病床に臥した筆者が、たまゆらのようなはかない人の命を収斂させ人類の永遠の光とし、次世代ないし全人類の繁栄を願い、書き綴ったのである。
元文部・農林水産大臣で、中国の環境に高い関心を寄せる島村宜伸衆議院議員が推薦する本書、果たして何が「中国の選択」となるのか。胡書記訪日の前に一読する価値がある。
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