CCFD研究会(在日中国人CFD研究会)は、CFDやCAEに関する情報交換の場として、ご研究やお仕事に役立てるほか、良い友達作りの場にもなります。会費や参加費は無料ですので、ご興味のある方は http://ccfd.jp をご参照の上、気軽にご参加下さい。
第33回CCFD研究会では、名古屋大学大学院計算理工学専攻教授である(東京大学の唯一の中国人教授でもあった)張紹良博士をお迎えし、「クリロフ部分空間法の数理をめぐって」を題として、科学技術数値計算の最先端の研究をご講演頂きます。 また同時に、株式会社KGT(AVS) 亜洲総代理(日本新華僑華人会事務局長でもある)許革首席代表をお招きし、汎用可視化ソフト「MicroAVSの基礎と使い方」について、パソコン実習の形式でご解説頂きます。
注意: MicroAVS実習の場合は、ご持参のノートPCにMicroAVSをインストールする必要があります。まだMicroAVSを持っていない方は、下記の特典をご参照の上、http://ccfd.jp/MicroAVS.mht
事前にMicroAVSをノートPCにインストールするようお勧めいたします。
日 時: 2008年8月23日(土) 13:00~17:00
場 所: 株式会社KGT本社(新宿)5Fセミナールーム(新宿区新宿2-8-8 とみん新宿ビル)
地 図: http://www.kgt.co.jp/feature/branch/honsha_map.gif
講演 1
講 師: 張 紹良 博士 (名古屋大学大学院工学研究科計算理工学専攻 教授)
題 目: クリロフ部分空間法の数理をめぐって
要 旨: 周知のように,科学技術計算に現れる問題の大半が最終的に連立1次方程式A x = b を解くことに帰着され,その方程式の高速解法の開発が数値計算の分野で最も重要な課題の一つであることは異論のないところであろう.連立1次方程式のため,様々な数値解法が提案されてきた.それらは直接法,定常反復法,クリロフ部分空間法(Krylov subspace methods)と大別できる.本講演では,導出原理と分類とを中心にクリロフ部分空間法の数理について,幾つかの応用例を通して解説する.
クリロフ部分空間法は共役勾配法を源流にもつ解法の総称で,前処理技法(Preconditioning)
に支えられて,また計算機の発展と相まって,現在一千万を越える未知数をもつ問題を解ける
ようになって,大規模問題に対する数値解法として確固とした地位を確立しつつある.
20世紀を締め括るに当たって,米国SIAM等は20世紀に現れたアルゴリズムのトップテンを発表したが,
FFT(高速フーリエ変換)やQuickSortと並んで,クリロフ部分空間法もその一つにあげられている.
講師略歴:
1983年 7月 中国吉林大学数学系(計算数学専攻)卒業
1990年 3月 筑波大学工学研究科博士課程修了 工学博士
1990年 4月 (株)計算流体力学研究所 研究員
1993年 4月 名古屋大学工学部情報工学科 助手
1995年11月 筑波大学電子・情報工学系 講師
1998年 7月 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻 助教授
2005年 6月 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻 教授(併任)
2005年 6月 名古屋大学大学院工学研究科計算理工学専攻 教授
講演 2
講 師: 許 革 首席代表 (株式会社AVS(KGT) 亜洲総代理)
題 目: 汎用可視化ソフトMicroAVSの基礎と使い方
要 旨: 3次元汎用可視化ソフトウェアMicroAVSの利用方法をご紹介します.データの読み込みから可視化までの流れを実際のアプリケーションを操作しながら実習形式で学習していただきます.「ファイル作成支援ツール」や定型処理の自動化に役立つ「スクリプト機能」,「3次元アニメーションファイル」の作成など標準で搭載されている便利なツール類も合わせてご紹介します.
この講演会に参加することで,シミュレーション,実験,計測などの様々なお手持ちのデータを
3次元的に可視化し効果的に表現することができるようになります.パソコンを使ったMicroAVS
の実習がありますので,各自ノートPCをお持ち下さい.(講義の中の操作を実際にその場で行うことができますので,より理解を深めていただくことが出来ます).また,可視化してみたいデータをお持ちのかたはご持参頂ければ,個別コンサルティングにも応じますのでぜひこの機会をご利用下さい.
講師略歴:
1978年 中国吉林大学数学系計算数学(77級入学)
1982年 中国電子工業部から日本に派遣し、富士通、NECでソフト開発
1990年 日本クボタコンピュータに入社、画像処理を開発、AVSを使用
1995年 株式会社KGTに社名変更、可視化(主に医療画像)の開発