調べものをしていて、偶然、「国際化市民フォーラム in TOKYO東京の国際化を語る」で発表したときの報告書を見つけました。ご高覧下さい。
詳細
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国際化市民フォーラム in TOKYO東京の国際化を語る 実施報告書
2004年2月21日(土)10:30∼18:00 文京区民センター
主 催 東京都国際交流委員会、国際交流・協力TOKYO連絡会
共 催 日本国際連合協会東京都本部
後 援 東京都
①テーマ エスニックコミュニティとメディア
②ねらい 都内在住外国人の中で最も多い中国人、韓国人およびフィリピン人対象のメディア関係者を招き、外国人コミュニティの過去10年の変化を振り返るとともに、今後の課題を探る。
③コーディネーター 山脇 啓造(明治大学助教授)
④報告者 段 躍中(「日本僑報」http://duan.jp/発行人)
中村 憲一(「ブルーバード・ニュースダイジェスト」編集人)
小池 昌(「カイビガン」編集人)
《分科会Fの内容》
都内在住外国人の中で最も多い中国人、韓国人およびフィリピン人対象のメディア関係者を招き、外国人コミュニティの過去10年の変化を振り返り、今後の課題を探った。
<段さんの報告>
ア 中国系メディアの推移と現状
媒体の数がこの10年、大幅に増加した。現在発行中の媒体は約40タイトルある。単一の紙(印刷)媒体から放送・インターネット媒体と多種類になった。媒体の質の変化も大きく、本格的なメディア時代を迎えている。留学生を中心とした読者構成は大きく変わり、働く社会人が中心になっている。紙媒体の「日本僑報」より、メールマガジン
「日本僑報電子週刊」のほうが読者も多く、コストも少なく、影響力も大きいので、メルマガに今後もっと力を入れたい。在日中国人メディアに関する詳しい情報は、
『在日中国人媒体総覧』(日本僑報社、2000年)と
『日本の中国語メディア研究』(北溟社、2003年)参照。前者はカタログの形で、メディアの連絡先なども掲載されている。後者は学術的研究書で、1980年代中期以来の在日中国人メディアについて詳しく分析している。
イ 東京の中国人社会の推移と現状
東京は中国人の最も集中している国際都市である。2002年12月現在登録している中国人は112,208人で、在日中国人全体の26.5%を占める。東京で働いている中国人は20万人近いのではないか。大学教授、会社社長、文化人など収入が安定し、社会的地位の比較的に高い人が、10年前の数倍に増加した。中国人は東京の国際化はもちろん、日中交流に大きな貢献をしている。研究者・学者や、株式公開した会社経営者も増えている。中国人の活躍については、段躍中
『現代中国人の日本留学』(明石書店、2003)と朱慧玲
『日本華僑華人社会の変遷』(日本僑報社、2003)参照。
ウ 東京の中国人社会の課題
ホスト社会としての日本側の課題子供達の教育問題、特に中国語教育の問題が深刻になっており、学校で受けたいじめ問題も看過できない。不法滞在者の問題もある。如何に犯罪を抑制するか、中国人自身も協力すべきである。中国大使館への警察官の常駐に期待したい。国際大都市として東京都は国際性を発揮すべきである。公立小学校のカリキュラムに中国語教育を入れてほしいし、中国人による小学校建設に力を惜しまず支援してほしい。在日中国人の中に、たくさんの優れた人材がいる。彼らが能力をもっと発揮できるようにしてほしい。「日本僑報電子週刊」http://duan.jp/m/は在日中国人の情報を提供すると同時に、子供たちの教育問題、日中交流の問題などについて、議論してきている。詳しくは、
『2003年の在日中国人』(日本僑報社、2004)、参照。