プレスリリース2008年10月2日
日中平和友好条約30周年記念図書
静かなベストセラーに
(『日中国益の融和と衝突』)
日本僑報社
日中平和友好条約締結30周年を記念して出版した書籍が、静かなベストセラーに―。日中専門の出版社「日本僑報社」が9月18日に出版した『
日中国益の融和と衝突』が、9月30日付の八重洲ブックセンターベストセラー4位になるなど、好評を呼んでいる。
本書は、長年、日中米外交史を研究してきた殷燕軍・関東学院大学教授によるものであり、机上の空論ではなく主に現実の日中関係を扱い、イデオロギーよりも国益に関する日中間の融和と衝突を論じているところに人気があるようだ。
教授によると、日中間では、国益の融和と衝突が、ほぼ同率で存在している。両国は「運命共同体」として依存関係にありながら、同時に国益を巡る対立と排斥も目立つ。そのため、日中関係を根本的に改善するには、国民レベルの相互信頼を醸成し、両国が互いに国益の「戦略的妥協」が求められているという。
「戦略的妥協」とは、相手国の最も重要な関心事である国益に配慮し、強いては国益の部分的譲渡も視野に入れることである。しかし問題は、日中双方は国家利益の譲渡と妥協への「心の準備」ができていないことである。今、共通の認識、民意的土台の形成が求められているのだろう。
日中平和友好条約締結30周年の今年、本書を契機に、日中関係がかえりみられている。