1月20日付の紙面です、ありがとうございます。
巨龍書架
『エスニック・バウンダリーの「創出」―横浜中華街における華僑女性史』
華僑華人研究は、これまで多くの先行研究があるものの、それらのほとんどが男性を中心としたものだった。本書は従来ほとんど解明が進んでいない華僑の女性史について、著者が修士課程在籍中に行った研究をまとめたものである。
移民社会において、アイデンティティーやエスニシティーを明らかにする上で有用な方法となりうる婚姻。そこで著者は、華僑女性の婚姻を中心としたライフ・ヒストリーに着目し、そこからエスニック・バウンダリーがいかに創出されるかについて研究を行った。
本書では、日中戦争後から日中国交回復までの横浜華僑社会における広東人女性を主な対象とし、華僑女性の位置性の変化について検討。その後、横浜華僑社会のエスニック・バウンダリーと社会変動との関連性を家族を例に取り世代ごとに分析している。
日本僑報社/2800円+税