3月18日(水)午後、『日中経済と人材ネットワーク』をテーマにしたシンポジウムが福岡市役所15階講堂で開かれました。主催は(財)福岡アジア都市研究所で、百数十名が参加しました。
会は、上海から参加した張雪娜上海市日本研究交流協会副会長が基調報告として「上海から見た九州・福岡」と題して講演し、人材育成、相互信頼の構築、文化交流、熟年者の交流、青少年交流について具体的に話した。
ついで行われたパネルディスカッションでは、立石揚志九州日中関係学会理事が司会し、束昱上海市留日学友会会長、小川雄平西南大学商学部教授、鹿毛隆郎九州日中関係学会会長、倪宝栄九州中国人学者・技術者連合会会長の4名に張雪娜氏も加わって進められました。
討論の中では、上海で、大分県日田市産の梨が1箇70元で売れて好評だったことや、20年前には考えられない高級食品が売れるようになってきていることが報告されました。また、九州の青い海、緑の山々も十分観光資源に成り得るとの指摘もありました。
しかし上海や江南地方では、福岡・九州の存在感は薄いので、今後、物産展、文化交流を盛んにしていく必要性が強調されました。定年後の熟年労働者が中国企業で技術指導を行ってほしいとの要望も出されました。
人材交流は、日本側、中国側共に重視している発言があり、小さな交流を重ねる中で、相互信頼を深めている例が紹介されました。
司会の立石氏は、「『経済恐慌』の中、世界は中国を頼りにしている。日本が中国と交流することは、中国を通じて世界と交流することになる」と強調されました。
全国的な日中交流の発展の中で、福岡・九州と中国との交流のつぎの発展段階を求める気持ちを多くの参加者に共通していたように感じられる会合でした。
福岡市 一参加者