本日は、北京出張で感じたことを中心にお届けしたいと存じます。北京の空港であった話なのですが、「中国人は努力不足」ということをまざまざと痛感しました。
利用された方も多いと思うのですが、北京のT3空港は巨大なターミナル空港で、大変立派なものです。ハード面は申し分なく、世界でも1、2を争うほど素晴らしい施設では、とさえ思います。
しかし、サービス面はまだまだ足りないのが実情です。
何回も利用していますが、初めて利用したときは荷物を受け取るまで時間がかかりました。駐機場からの移動、荷物の受け取り場に来ても、深夜に40分以上待たされました。
それは機械の問題として納得できなくもないのですが、今回は、完全に中国人の努力不足です。
帰りの出張は、JAL北京発15時半の便に搭乗予定でした。1時間ほど待ち時間があったので仕事を進めようと、搭乗口付近でノートパソコンを開くと無線LANマークが点いたので、インターネットの接続サービスがあることを知りました。ですが、接続方法がはっきりとわからなかったので、登場口のJAL現地スタッフに問い合わせることにしたのです。
現地スタッフ、中国人の彼らは実に暇そうでした。男性・女性あわせて5人ぐらい、搭乗手続きがはじまるまで時間があるとはいえ、おしゃべりをしたり笑いあったり…。
北京に飛行機を飛ばしている日本の航空会社は、どちらともサービスが良く評判が高い会社です。日本に長くいる者として、現地スタッフのよい(日本では当たり前の)サービスを期待していました。
近づいて「無線LANの接続がわからないのですが」と尋ねると「わかりません」の一言のみ。「教えて下さい」と言っても「それは空港の担当です」と梨の礫です。
話はそれだけにとどまりません。「空港の担当」にしか無線LANの接続がわからなかったわけではないのです。搭乗口から2~3メートル離れたところに、オープンカフェ風の喫茶店がありました。ちょうど客が途切れたところだったので、まさしくダメ元で外からウエイトレスさんに「無線LANの接続方法を知りませんか」と尋ねました。
すると「はい」と、一枚の紙を見せてくれました。A4サイズの紙は若干汚れていて、何回も使われてきたことを示していました。中国語の説明の下に、英語も書かれていました。決して流暢とはない英語ですが、一文字一文字しっかり書かれていて、作った人の心意気が伝わるようでした。
説明を見て、無線LANの問題はあっさり解決しました。このことをどうしても伝えたいと思い、もう一度JALの搭乗口に戻り、「カフェの方が教えてくれましたよ」というと、今度はリーダーらしい男性がでてきました。
ですが「空港の担当」と繰り返すばかり。そして、「ここには、パソコンが一台もないので」というのみです。どうやって搭乗手続きや確認をしているのか、という疑問も浮かびましたが、冗談とため息交じりに「では、今度本社にパソコンを一台おいてもらうように頼みますか」というと「ええ」という返事が返ってきました。
問題はパソコンの有無ではありません。
「空港で乗客の搭乗に関わる専門職にもかかわらず、専門ではないウエイトレスさんの方が詳しいのですか」と思わず詰問すると、スタッフの一人だけ「がんばります」と答えてくれましたが、他の方は顔が少し紅潮しただけで無口でした。
日本で同じ事があったらどうでしょうか。成田で同じ質問をすると、おそらく教えて下さるでしょう。もしその方が分からなかった場合、他の場所に問い合わせの内線をかけたり、走っていかれたり、ということもあるでしょう。そしてかならず「申し訳ございません」と知らなかったことに対して、一言おっしゃるでしょう。
カフェのウエイトレスさんは、外から声をかけた、客でない私にも親切に答えてくれました。中国人のJAL現地スタッフは日本企業に勤めていても、企業文化を学んでいませんでした。謙虚さ、努力はなく、言い訳や責任のがれです。
せっかく、日本の良いところを学ぶ機会を得ているにもかかわらず、現地スタッフは、もう少し努力してほしいと痛切に感じました。さらによいサービスを提供することができれば、中国出張に来た人を満足させ、よいイメージを持って帰ってもらえるではないでしょうか。
第836号日本僑報電子週刊より