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日本僑報電子週刊 第482号【号外】 2005年6月15日(水)発行
http://duan.jp 編集発行:段躍中(duan@duan.jp)
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■丁亦行・陸藝著書『三つの国境を越えて』刊行特集■
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■目次■
●特別転載★内容紹介
目次
後書き
著者紹介
表紙と注文先http://duan.jp/item/012.html
●特別案内★二人の少女 記者会見のご案内 7月1日午後・東京
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●特別転載★内容紹介
十五歳の亦行は日本生まれ日本育ち中国人の少女です。サンフランシ
スコ郊外のアルバニー高校に十年生として一年間留学しました。そこで
十七歳の陸藝(ルイ)さんと出会いました。ルイは上海で生まれ、小学
校二年生から日本の公立小・中学校教育を受け、中学校一年生の時家族
とアメリカに移住した中国人です。二人の少女は共通のバックグラウン
ドと経験を持ち、三つの国境を越えて、学校生活を通して自己発見のプ
ロセスを写しだし、この本を企画、執筆しました。
この本では、日本にいたとき、受動的で無気力な心理状態だった二人
の少女が、アメリカの高校に入ってから自分で考え、積極的に取り組み、
自己発見に至るまでのプロセスについて、細かく描かれています。対照
的な学校生活を通して語られる個性、創造性、多様性にあふれる教育の
方法、学生と教師の相互関係、大学選考のあり方、さらに国境を越えた
子供たちのアイデンティティ形成のプロセス・・・。日本とアメリカと
いう二つの社会の違いが二人の少女の目を通じてはっきりと写し出され
ています。
この本はただの二人の少女の自己発見のエピソートだけではなく、多
民族社会へ移り変わろうとしている日本の小、中、高校の教員にとって、
個性、多様性と創造性を育てる教育方法の事例研究のような参考書籍に
なると思います。また、アメリカ高校の教育内容、教育方法と大学の入
試への取り組みが本人たちの体験から描かれているので、アメリカ留学
を計画している学生や親などの一般読者に対して、リアルな留学エッセ
イとして読まれることも多いと思います。
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●特別転載★目次
第一部 国境を越え、自分が見えた 丁亦行
1.私は何人だ
2.十五歳のアメリカ高校留学
入学ショック
ユニークな授業
やる気があれば
嫌だ
3.祖国は何か
自分を見失う
私は中国系日本人と言えるか
第二部 中国→日本→アメリカを歩み 陸 藝
1.日本に来た
赤いランドセル
「敬語」を使わない私
2.アメリカ中学校の転校生
転校の初日
Mr.マクグアイアーとの交換日記
3.四年間奮闘した高校生活
上級クラス―トップ大学への通路
部活―リーダーシップのゆりかご
名門大学にがり勉だけではだめだ
4.UCバークレーにゴールイン
あとがき
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●特別転載★あとがき
このエッセイを企画はじめたのは丁度二年前の事だった。アルバニー
高校のカフェテリアでルイと昼休みにピザを食べながら、自分たちのバ
ックグラウンドに共通な所が多いね、とたわいない会話をしている中で
「これをエッセイにしない?」という提案から、陸藝と私のこのプロジ
ェクトが始まった。
二人とも中国、日本そしてアメリカの三つの国境を飛び越えてアルバ
ニーという小さな町で出会えるなんて!そんな思いから始まったこのプ
ロジェクトは私の留学生活の中心になったのだ。
アメリカの高校という今までの生活とは違う環境の中に放り込まれて、
いろいろなものに改めて気づくことが出来た。社会について、人の考え
の違い、学校の仕組み、そして自分自身についても。
中国には「不識廬山真面目、只縁身在此山中」という諺がある。その
意味は「廬山の真の姿が見えないのは、山の中にいるからである」とい
う意味だ。
私の好きな作家である山崎豊子氏の著書で『二つの祖国』という本が
ある。戦時中、アメリカの日系二世が主役だ。この主人公は日本に対す
る思いとアメリカ国民としての状況に挟まれ色々と苦悩する。自己のア
イデンティティのあり方に戸惑いながら第二次世界大戦という時代の波
に揉まれる話なのだが、渡米前にこの本を読んだときはただただ第三者
の視点で主人公の苦境を同情していた。なんて可哀想なんだろう、排日
運動ってすさまじくて非道い、といったように。
ところが、日本に帰国後、再び読んでみたら、主人公や主人公を取り
巻く人々の心情が自分の心情に共鳴するように感じた。
生まれ育った国に対する気持ち。遠く離れた祖国に対する気持ち。
アメリカ滞在を経て日本と中国に対する想いが以前とはまったく異なっ
ていた。本編でも記したとおり自らのアイデンティティが意識された。
日本という社会の中で私たちのような存在はマイノリティーである。そ
れでも、自分自身に自信と誇りをもって生きて行きたい。
この本の出版にあたって、私たちの拙い日本語を丁寧に補修してくだ
さった寺尾先生、多忙の中、私たちの拙作を読んでいただき、的確な意
見と貴重なアドバイスを下さった共同通信社の澤野さんに心の底から感
謝しています。
また、日本僑報社の段躍中先生は快くこの本出版の話に応じて頂いた
ことは私たちを大いに励ましてくれました。
本当に有難うございました。皆様なしではこのような本という形には
決してならなかったと思います。心から御礼申し上げます。
最後に、私たちのプロジェクトを温かく支えてくれた母、見守ってく
れた家族に感謝します。
二〇〇五年五月三日 丁亦行・筆
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●特別転載★著者紹介
■丁亦行(べべ)1987年、茨城県つくば市で筑波大学大学院の中国
人留学生の両親の間に生まれる。保育園、小学校、中学校、高校すべて、
日本の学校に通った。両親の仕事の都合で、つくば、宇都宮、横浜、名
古屋など6つの保育園を転々とし、小学校は三重県の久居市、中学校と
高校は鈴鹿で過ごした。2002年9月高校一年生のとき、母親の仕事
の都合でアメリカ、カリフォルニア州サンフランシスコ郊外アルバニー
高校に一年間留学。現在は中央大学法学部法律学科一年生。
■陸藝(ルイ)1984年中国上海で生まれる。四歳からピアノを始め、
その後数々の賞を取ってきた。小学校二年生の時、父の仕事の都合で日
本にやってきて、東京と埼玉の公立学校に通った。そして中学一年のと
き家族全員アメリカへ移民し、カリフォルニアのアルバニーというまち
に移住した。アルバニー高校を経て、今はカリフォルニア大学バークレ
ー校に在学中。
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●特別転載★二人の少女 記者会見のご案内 7月1日午後・東京
この本の著者である丁亦行さんと陸藝さんは、初めての著書が刊行され
たため、7月1日に東京日比谷にあるプレスセンターで記者会見をする
予定です。陸さんは、わざわざアメリカから来日します。彼女の目に日
米がどのように写っているか、とても楽しみです。丁さんは、中央大学
法学部の一年生として、東京生活をスタートしています。彼女は東京を
どのように見ているのか、とても知りたいところです。
マスコミ関係の皆さんを優先にしますが、外国人問題など取り組んでい
る学者も歓迎です(3名まで)。お申し込みの上、お越しください。
詳しくはhttp://duan.jp/03/05-07-01.htmをご覧ください。
段躍中@2005.6.15午前零時
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日中関係・華僑華人情報専門誌・毎週水曜日発行 編集発行:段躍中
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