日中記者交換40周年記念出版の三冊目として、岩城浩幸・TBS解説委員(元北京支局長)ご夫妻の初めての著書である『大陸逍遙―俳句と随筆で綴る体験的中国』は、日本僑報社より刊行された。中国語版は同時に北京で出版された。
【内容紹介】
日中両国で特派員が交換されるようになって四十年、これまでに夫々の国に駐在した記者は五百人を超える。その中に、中国大陸の各地を逍遥しながら、見たまま聞いたまま、中国のありのままの姿を俳句と随筆で記録していた日本人記者夫婦がいた。
時は九〇年代、中国が名実ともに大国に向けて舵を切り、猛然と進み始めた頃。経済協力、天皇訪中と日中関係も大きく変わり始め、同時にさまざまな摩擦も表面化し始めた。この時期、中国の一般市民は何を考え、大陸の各地では何が見えたのか。散文によるスケッチは、ニュースでは伝えきれない現代中国の実像を鮮やかに描き出した。時に爆笑したり、苦笑したり、そしてほろりとさせられる筆致は、著者夫婦が中国の社会に素直に、そして深く溶け込んでいたことをうかがわせる。詩人で漢字俳句の第一人者である林林氏を夫婦で訪問し、新たな面で日中間の交流を模索した一幕も描かれている。
一方、いま様々な局面で表面化している日中間の問題は、夫々がお互いの姿を等身大で見ていないからではないかと著者夫婦は指摘する。政治評論でも分析でもない本書が、何より明らかに問題の所在や原点が、この九〇年代にあったことを浮かび上がらせた。本書はもともと、著者夫婦の友人である中国人ビジネスマンが翻訳して中国で出版されることを目的に書かれた。中国でも異例且つ画期的な出版、その原作である。
なお、日中記者交換40周年の記念出版として刊行済みの二冊は、光明日報東京支局長陳志江氏の
《従昭和到平成―駐日十五年報道文集》と元北京日報東京支局長王泰平氏(現日中友好会館中国代表理事)の
『あのころの日本と中国―外交官特派員の回想』である。
(下の写真は、2004年9月30日夜、北京市内から生中継で「日中記者物語」を放送する岩城浩幸氏。TBSテレビより。段躍中撮影)
青木麗子・(有)DLC日中ビジネスコンサルティング代表取締役社長は、4月1日から正式に九州上海事務所顧問に新たに就任されたことが、先週金曜日に確認された。
胡錦濤主席の挑戦
ー中国の政治・社会の地殻変動を見るー
講師:朱 建栄 さん 東洋学園大学教授(中国現代史・現代国際政治)
中国では今、「地殻変動」が起きている。経済成長は社会的に階級・階層の分化をもたらし、格差問題を招きつつも、史上初めての「中間層」を作り出している。
この深層に流れる社会的潮流をもっと重視して中国の行方を考えるべくではないか。日中関係にとっても今年は重要な節目の年であり胡錦濤指導部は新しい対日方針を模索している。
この講演では、中国内部の分析をしつつ、日中間の問題も検討し両国関係の行方を一緒に考えたい。
日時:5月7日(土) 午後2時~4時
場所:八王子労政会館 第1会議室
参加費:500円
主催:NPO法人宋慶齢基金会日中共同プロジェクト委員会
http://www.sokeirei.org/
TEL/FAX:0426-46-4210
※参考文献『中国共産党・国家・軍を動かす
胡錦濤の対日政策―歴代指導者が語った「日中関係」―』
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近代中国における物理学者集団の形成(東京工業大学博士学位論文、清華大学助教授 楊艦著、2003年9月出版、第三回華人学術賞受賞作品)A5判192頁上製箱入 本体14800円+税
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